バッチ処理は現場を怠慢にし混乱にさせる

 バッチ設定(タイマー自動稼働設定)は、当社ではなんでもバッチに頼り、一時期100以上ものバッチが毎日稼働していました。バッチ処理は、一見して自動で何でもやってもらえて楽で正確で良いようなイメージがあるが、まったくの逆です。バッチ処理は、本来現場のオペレーターがやるべきものをタイマー仕掛けで代行をさせるというものであるが、ツールを自動稼働にするほど、意味のないものになりかねない。人のよいところは、条件変化に対応する、コミュニケーションができる、などつまり、頭脳の部分であり、ツールは、所詮道具であり、頭脳ではない。そのところを、現場が理解し得ないところで処理をしてしまうと現場は、毎日経験を積み育たないし、トラブるを監査する監視ツールもなく、現場は、ただただ怠慢なものになってしまうだけであります。
 余談ではあるが、バッチの提案は、SEたちの、既得権益や工数に生まれ変わり、現場を支配するものになりかねない。SEは、鍛冶屋であり、現場の戦士に最適な武器を作っては送り、古くなれば、問題があれば、メンテナンスをするという立場であり、現場を統率しうるだけのリーダーシップや肩書は持ち合わせていない。現場が金を生み、現場の努力や痛みにより会社は売り上げを最前線で稼ぎ出す。SEたちのような鍛冶屋は、所詮鍛冶屋で、現場が上に立ち、このようなツールを作れや前のツールはこのようなところがだめだなど、気軽にSEにダメ出しができるような環境が望ましい。SEは、現場を隠れ蓑にし、自分たちの利益をためるような行動をとる場合が多々あり、学と技術がない現場を少し下に見てバカにしているようなSEも多い。だからこそ、社長やトップたちが、SEや現場に対して、それぞれのポジションを意識させ、相乗効果を生ませるような関係を築き上げる必要があります。
 バッチ処理は、すべてを否定するものではないが、せめて、現場担当と、バッチリストをもとにどのようなバッチが用意されているかの説明うや必要か否かのの議論は、かならず必要であろうとかと思っています。

人事評価のためのログ取得

 ログは、セキュリティや不正の制御のためにあるというイメージですが、ログは、誰が何をいつやったかの履歴であり、人事評価の目安にできます。つまり、作業ボリュームを出すことが可能です。人は、ゴールがなければ、各々ゴールを設けて努力をします。まじめにするもの、不正をするもの、さぼるもの、楽しむもの・・・それぞれのゴールがあるから、バラバラになります。ここで、仕組みで、作業ボリュームが正当に出て、正当に評価されるとなれば、みんなのゴールは、まじめにがんばろうとなるわけです。私語はなくなり、だらだらと残業するものもなくなり、不正も社内営業しかしないものも、成果に対して努力をするようになります。スタッフは、理不尽だから、がんばらないのです。誰もが納得する理にかなったものであれば、スタッフはみんな明日から優秀なスタッフになるのです。

自立なきものと組むな

 いきなりですが、私は、日本人はつくづくチームワークやリーダーシップというものが苦手な人種だと思っています。私もそうだと思います。いざ、何かを計画し、協力してと始めたものが志半ばで終了してしまうということがどれだけ多いことか計り知れない。それは、どちらが上か下かやどちらが損か得かや、船が進む先のことではなく、船の中のことばかりを気にして揉めてしまうからです。その明らかな理由は、自立なきものと組んでいるからであります。自立なきものは、ビジョンを定め、それに向けて課題や問題を解決し、着実に実行し成果をあげていく人たちのことを言いますが、ほとんどの人、企業は、何かに依存をして存続しているものがほとんどです。現在は、強い責任のあるリーダーシップがなくなり、自立を求められる時代です。逆にリーダーシップがなくなるということは、しがらみがなく、自由度の高い変革、改革のチャンスの時代だといえます。よそからの提案は、ほとんどが自分達寄りの自立なきものです。自立をして、共に全うするまで覚悟をして戦えるかどうか、人も企業もそのようなものとだけ組まなければ、結局不毛な淘汰を延命したようなお付き合いとしかならない状況は、ほんと誰も得をしない、ましては、誰も喜んでいない最悪な結果を生みますので必ず人事を尽くさないといけません。
 私は、この20年、何を経験したかということを教えてほしいと言われれば、やはり人事が一番です。人事とは、結局何かというと、本物を見極める目です。つまり、結局のところは、本物にしか見極められないのかということになろうかと思いますが、それは違います。己の目がどれだけ節穴かということを知るための経験値だとなることのほうが多く、よく物事を深く考え、よく調べ、よく人の話を聞き判断をするということになります。つまり、自分がいかに愚かで臆病で何もできない人ほど人事は、向いていると私は思っています。