ECシステムの意義は使いやすさではなく仕事量の削減が第一

ECシステムを作る意義は、仕事量を削減することが第一ではなく、作業スピードと品質を上げることが第一ではないということを強く言いたい。
EC業務における仕事といわれる部分、つまりオペレーターによるオペレーションが必要な部分は、ほぼ皆無です。なぜなら、商品を出品し、受注いただき、商品を確保(引き当て)し、発送するまで何事もなければシステムにより管理され発送されるだけになります。それではなぜオペレーターが必要なのかといいますと、イレギュラーな受注があるため作業が発生いたします。

 イレギュラーな受注とは何か?
 当社では、以下のような受注をいいます。
 数量が多い受注・高額な商品の受注 (出品ミスの可能性があり、販売リスクが大きい)
 外国人のお客様からの受注(発送先の打ち合わせ いたずら不正受注の場合があり)
 沖縄への発送の受注
 大型商品の受注(別途送料の可能性)
 ブラックリストに入っている方からの受注
 コメントをいただいている受注
 希望日をいただいている受注 など

これらをマスタ化し、条件ごとに分類し、オペレーターに作業依頼をすることを仕事をなくすということになります。当社では、受注量がそれだけ集まらないため、受注リストに赤色で帯を付け イレギュラーな受注 を示し作業依頼をしています。受注量がそれなりに多くなりますと、専用I/Fを設けるほうが効率は高くなります。

仕事量を減らす = 仕事の整理整頓 = 仕事のマスタ化 が つまり、仕事量を減らしてシステム化するということになることだけは忘れてはいけません。このマスタ化により受注管理に関しては、受注作業の8割以上もの 仕事をなくす という 成果がありました。システムが得意なこと、人が得意なこと、をしっかり整理して、仕事を分別することが 作業効率を上げるシステム ということになります。

ロングテールの終焉

 ECショップで、ロングテールマーケティングこそがEC企業だとこぞって商品点数を増やしていたショップは、ほんと昨今では見なくなった。バブル期で言えば、ダイエーのようなショップで、利益が取れないのを売上を上げること、リアルで言えば、新店、ECで言えば、取引先や取引商品を増やすことこそがビジョンであるかのように、一種の神話のようなものになっていたような気がします。戦略は間違いではありません。ただ、売上を伸ばせば、それなりの経費が大きくなりその経費がさらに利益を圧迫させます。また、商品はすべてが売りきれるものではなく、デットストックの問題がございます。一見利益が出ているような決算でも、実は、利益の実態、つまり現金のはデットストックに変わり果て、利益が出ているが、このデットストックの処分問題次第では、実質赤字状態というメーカーや問屋、ショップは限りなくございます。なんでも一見して、規模が大きいというものは、憧れでありますが、結局は中身はお山の大将では、大企業の経営者とは呼べません。経営者とは、利益を出して、税金を払い、再投資し、規模を着実に増やしていくものをいうべきであり、売上規模が大きいから大資本や大融資を元手に赤字経営をしているものではないということだけは忘れずにいてほしいものです。

棚卸は必要ないので廃止しました

棚卸については一度も当社は行ったことはありません。
なぜなら必要がないからです。在庫が狂わないからです。
当社のシステムは商品管理に、Janコードだけではなく、マイナンバーでの管理を導入しています。つまり、マイナンバーを持っていると、誰がいつどのように発注し、今どこに置いているかなぜどのように出庫したか販売したか などのユニーク管理が可能になりフリーロケーションにより保管された商品は、理由なき移動はできず、また保管期間というタイムスタンプを使えば、賞味・消費期限の管理や保管期間の制限による販売設定や保管期間が長いものの販売促進などあらゆることでIDやログを使って商品を管理することが可能になります。
倉庫に関していえば、スペースという課題がございます。棚の足元に車輪がついていれば、棚からやってくるような倉庫を作ることも可能です。そうなれば、テトリスのように棚は埋まっている倉庫となります。XYZ軸の倉庫の位置情報を管理できれば、近い棚から順に棚自体がやってくるような倉庫は、アマゾン社が実践しだしております。
倉庫は、梱包して配送するだけでしょと、安易に考えている人は、おそらく生涯ECで儲けることはできないでしょう。配送する個数が、何千個なら、1個当たりの100円単位の経費削減が、10万円になります。数万個なら数百万円になります。物流は、どっかの組合の会費みたいなものと私は表現しています。会員数が多ければ、会費が1000円でもとんでもない金額が集まってしまいます。それを、安易に研究をせずに依頼をするということは、お金だけではなく、それだけの大事なものが毎年委ねてしまうということになりかねません。もし、自分たちが、ECショップと自覚して商売をするならば、必ず倉庫は、自社物流を選択する方向でぜひ検討をしてみてください。